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映画『不思議の国のアリス / Alice in Wonderland(1933)』







ファンタジーアートや

サイケアート好きには

定番とも言える

不思議の国のアリス。


元々は1865年の児童小説であり

数多な形として映像化されています。


『不思議の国のアリス / Alice in Wonderland(1933)』の

俳優さんや制作された時代背景は

調べるとすぐに出てくるので

ここでは割愛しましょう。


ヴィンテージウェア好き

クレイジーヴィンテージ好きの観点だと

1933年に公開された映画の

服の様相に釘付けですね。


リアルクローズではなく

所謂、衣装ですが

生地の質感やシルエットなどは

1900年代初頭のアンティーククロージングを

手に取り、コレクトし、愛用する俺達には

貴重な資料となります。


特はアリスのドレスは

リネン、もしくはコットン素材でしょうか。


薄くハリのあるテキスタイルに

ギャザーをたっぷりと用いているのも

時代を感じます。


何故なら

俺達が蒐集している

メンズアンティークシャツも

同じような素材やギャザーを

用いているからです。


映像を見る限り

ドレスのテキスタイルの質感は

滑らかではなく、マット。


当時のアンティーク布だと

細やかなネップ

(糸の不規則な塊や繊維の結び目)が

入っていることが多く

これが愛好家には堪らない

ポイントとなっています。


ちなみに現代の布問屋に

同じような布があるか

探し回ったことがありますが

なかなか見当たらず

あったとしても

ヨーロッパの俺達が知る

有名ブランドが使用する高級布であったりと

とても希少で贅沢品でしたね。


ちなみに

30年代当時、ネップが残っていた理由は

製造技術の限界によるものです。


当時の織物技術や糸の紡績技術は

現代のように精密ではなく

糸を作る際、

繊維の不均一さや短い繊維が混ざることで

ネップが生じやすかったようです。


品質も

現代のように均一に管理されておらず

繊維の質にばらつきがあったことも

要因のようでした。


そして、ギャザー。


ギャザーとは、生地を集めて縫い込むことで

服にゆとりや動きやすさを持たせる技法。


この時代は現代のものに比べて

比較的ゆったりとしたシルエットが主流でしたが

可動域を確保し、動きやすさを重視するために

ギャザーが多く使われています。


特に当時は

体にフィットする為の

複雑なカッティング技術が

発展していなかったこともあり

ギャザーを使って生地に余裕を持たせ

フィット感を調整していたようです。


これにより

リラックスしたシルエットでありながらも

動き易いデザインが実現していました。


勿論、ギャザーも装飾的な要素となり

重要視されていました。


ギャザーを入れること

柔らかさや立体感が生まれ

華やかさを兼ね備えるように。


などなど

見どころは多くあります。


アンティークシューズにも

注目したいのですが

それはまた別の機会に。


最後にqomsosに集う人々は

異様、歪も大好物だと思います。


この映画に登場する

異世界の住人達もご覧ください。


挿絵をそのまま現実化に。


挿絵だから可愛かった住人達が

奇妙に現実化、リアル化

されてしまっています。


可愛さよりも

嘆きの表情にしか見えず

その危うさが

現代の俺達にとって

魅力的なツボとなってしまうのでしょう。






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